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退職給付引当金

退職給付引当金とは何か?

退職給付引当金とは、企業の従業員各人の将来の退職金受取見込額を算出して、これを一定の割引率で割り引いて、現在価値に戻したものを引当金として計上したもののことです。企業が確定給付型の退職金制度を採用している場合、退職給付債務に一定の調整をして、退職給付引当金が計上されていきます。このように、退職給付引当金は、企業の従業員が定年退職などをする時のために、企業が毎年一定額を積立てていくこととなります。企業の社員は、65歳といった、定年になると退職することなりますが、勤務年数が多いと多額の退職金を、企業が支払うことになっていきます。しかし、企業が多額の退職金をすぐに用意するのは、経営リスクに繋がってくるため、企業は将来の社員の退職を見越して、少しずつ引当金を積立てていくことになります。特に、経営が苦しくなっている企業においては、退職給付引当金を、積立てる余裕がなくなっているところも出てきます。そうした企業では、社員の退職給付金が支払えずに、やむを得ず、他社にM&Aをされたり、会社売却を実行しなければいけなくなっている場合もありますので、注意が必要になってきます。

 

M&Aのときにチェックされるポイントが退職給付引当金

伝統のある大企業の多くでは、長く勤務する社員が多いため、退職給付引当金の企業負担が重くなっている傾向が出てきています。アメリカの伝統のある大きな自動車会社では、リーマンショックの後の自動車需要の大幅な減少によって、会社経営の運転資金が乏しくなっていきました。そのような環境でも、退職給付引当金の捻出や、退職者の年金の支払いは続けなければならないため、ますます経営が苦しくなっていった過去があります。その大きな自動車会社は、最終的には経営に行きづまって、一時国へ会社売却を行う国有化の方策が取られています。そうした企業の例もありますので、M&Aを実施する際には、相手企業の退職給付引当金の状況をしっかりと確認しておくことが重要となってきています。

 

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