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買収ファンド
買収ファンドとは何か?
買収ファンドとは、投資から集めた資金で企業を買収して企業価値を高めて転売する、または上場させることによって利益を稼ぐ団体や組合のことを言います。一般的にその資金は、投資から集めた資金以外にも大型案件では金融機関から自己資金の数倍の資金を借り入れることもあり得ます。日本で活動するファンドの多くは現在、米国や欧州を中心に中国系やアジア系など、海外投資会社が機関投資等から資金を集めて運営しているケースが多いです。一般にベンチャーキャピタルが新しいビジネスモデルに投資するのに対して、買収ファンドは既に成熟した企業を買収ターゲットにしている点が大きな特色と言えます。日本においても買収ファンドがM&Aの買い手側となるケースが増えてきています。それだけでなく、すでに転売することや、上場によって売却している事例が増えてきています。買収ファンドでは、企業の経営が傾いたところをM&Aをすることによって、その後の経営を立て直してから会社売却をすることによって投資家に投資利益をもたらしているのです。
ファンドは短期転売のハゲタカばかりでない
買収ファンドには、企業の再生を実現するための技術を持ったスタッフがたくさんいます。そのようなスタッフが買収企業に対して経営者の交代、経営方針の転換などをしていくことになるのです。買収ファンドが関わっていくことで買収企業の経営が立ち直った際には、同業他社からの買収提案を受けるようになっていきますが、M&Aをしたい複数の企業と売却価格について話し合いをすることによって、価格の最も高い企業に会社売却をすることになっていくのです。外資系の買収ファンドの中では、企業をM&Aをしてからすぐ会社売却をする、いわゆるハゲタカファンドも確かにあります。しかしその一方で、買収ファンドのなかには買収企業と友好関係を持って、長期的な観点で経営に関わるところもあります。例えば経営危機に陥ったあるファーストフードチェーンは、買収ファンドの手を借りることによって新たな新メニューを打ち出すことにより、再生したところもあります。また、買収ファンドによっては永久保有を前提としてM&Aをするところもあるのです。永久保有をする場合は、業界内で高いシェアを握っており、良い経営者がいるケースが多いのです。そのような企業であるならば、たくさんの助けがなくても業績の拡大が見込めるからなのです。