文字のサイズ
- 小
- 中
- 大
その他
法務DD
法務DDとは何か?
法務DDとは法務デューデリジェンスの略称で、買収によって生じる可能性のあるリスクを事前に調べて防止する方法です。M&Aを完遂成功させるためには、様々な情報を得て熟慮の上で判断を下して行く必要があります。一面的な情報や主観が強い情報に振り回されると、真実に目を向けられず重要な判断をする局面で失敗するおそれがあります。そこで、M&Aや会社売却を実行する際に相手の会社はどのような株主が株式を保有してきたか、今までどのような契約を締結してきたか、登記関係の書類や法的な認可に問題は無かったか、相手の会社側に阻害要因がないかどうか、解決しなければいけない法的問題はないか、法的に問題になりそうなリスクが潜んでいないかなどなど、M&Aの対象となる会社やその事業に関する法務リスクの調査を行なうのです。
法的リスクは取引額と比例しない
これからM&Aにより買収しようとしている企業が、果たして合法的な企業運営をしてきたのかどうか、今後法的なトラブルを発生させかねないリスクが潜んでないかどうかを知り、安心してM&Aを行えるかどうかを判断して行くわけです。法務DDにおいて確認するべき事項はたくさんあり、多角的に客観的な情報を確保することが大切です。そのため、それらの事項が法的に問題が無いものなのかどうかを判断して行くためには、専門的な知識が必要となります。社内に弁護士などがいる大企業の場合ですと、容易に法務デューデリジェンスを弁護士に依頼できるかもしれません。一方中小企業の場合には法律事務所などに依頼をするころになるかもしれません。コストを抑えたいという理由で、この法務DDの過程を省略してしまうのは危険です。法的リスクは取引額と比例するものではありません。法務DDを行わないでM&Aや企業売却を行った後で法的な問題が発覚した場合、通常はその責任は買収元の会社が負わなければならなくなるのです。そこで買収側としては、そのような事態は避けなければなりません。法務DDはどのようなケースでも行なう方が良いと考えられています。