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M&A(Mergers and Acquisitions)

拒否権

M&Aにおける拒否権の理解:企業合併における法的保護

1. 拒否権:企業合併における法的保護の重要性
2. 法的枠組み:拒否権の役割と範囲の探求
3. ケーススタディ:過去のM&A取引からの拒否権の実際の例

M&Aを行う時には、時にウィン・ウィンの関係を構築する必要があります。例えば、ある企業が経営に苦しみ会社売却を行った時には、資本的に体力のある会社がそれを買い取ることで、まさにお互いに利益となるウィン・ウィンの関係となります。当然ながら、実際の市場ではお互いの合意のうえではない、敵対的な買収が行われることもあるでしょう。こうした時に、企業を守るのが「拒否権」と呼ばれるものです。これは株式会社の出資者、つまり株主が保有している権利です。具体的には株主総会でこの拒否権を行使することによって、重要な議題や決議を否認することができるのです。これをうまく利用すると、敵対的買収を仕掛けられても買収を行おうとしている企業への併合を回避することができます。

拒否権:企業合併における法的保護の重要性

– 拒否権は、企業合併(M&A)において、特定の条件や決定に対する拒否権を保持する権利を指します。
– これらの権利は、株主や取締役などの主要な利害関係者によって保持され、重要な意思決定に影響を与える場合があります。
– 拒否権の存在は、企業間の合併交渉や契約締結において、各当事者の権利と利益を保護し、合意の達成を助ける役割を果たします。

法的枠組み:拒否権の役割と範囲の探求

– 株主の権利:
– 株主は、株主総会での投票や特別な合意手続きを通じて、重要なM&A取引や戦略的決定に対する拒否権を行使する権利を持っています。
– これらの権利は、株主による企業の方針や経営に関する意思決定に対する影響力を保護するために設計されています。

– 取締役会の権限:
– 取締役会は、M&A取引や重要な契約に対する最終的な決定権を持つことがあります。
– 取締役会のメンバーは、企業の長期的な利益を考慮し、株主や他の利害関係者の権利を保護する責任を負っています。

– 合併契約の条項:
– M&A契約では、拒否権の範囲と条件が明示され、合併交渉の進行や取引の完了に影響を与える要因が含まれています。
– これらの条項は、契約の条件や合意事項を保護し、異なる当事者間の利益の調整を助ける役割を果たします。

ケーススタディ:過去のM&A取引からの拒否権の実際の例:
– ABC社の買収案:
– ABC社がM&Aを提案した際、株主総会での投票において拒否権を行使したことで、買収交渉が中断されました。
– 株主は、提案された取引が企業の利益に適切でないと判断し、拒否権を行使して合意を阻止しました。

– XYZ社の取締役会の決定:
– XYZ社の取締役会は、M&A取引に関する最終的な決定を下す際に拒否権を行使しました。
– 取締役会は、取引の条件や影響を慎重に検討し、株主や企業の利益を保護するために拒否権を行使しました。

– 合併契約の条項の適用:
– 過去のM&A取引では、合併契約の条項に基づいて拒否権が行使され、取引の条件や結果が当事者の合意によって影響を受けました。
– これらの条項は、合意の達成と取引の成功に向けて、各当事者の権利と利益を保護する役割を果たしました。

3分の1以上の議決権でホワイトナイト

この拒否権を使用する場合に、非常に重要になってくるのが「3分の1」という数字です。基本的に株主総会では、議決総数の3分の1以上がこの拒否権の行使に同意しないと、実際の拒否が成立しないのです。ですから会社売却をした時には、逆に最低でも3分の1以上の議決権を相手先企業に譲渡して拒否権の行使を不可能にする必要があります。さらに株式会社を敵対買収から保護するには、同じように3分の1以上の議決権をキープしていれば良いので、ホワイトナイト(敵対的買収を受けている企業を保護する役目)は、この3分の1以上の議決権を保持することになります。

拒否権は、M&A取引において重要な法的保護を提供し、企業の合併交渉や契約締結において各当事者の権利と利益を保護します。株主の権利や取締役会の権限、合併契約の条項など、拒否権の役割と範囲は、企業合併における重要な要素です。