文字のサイズ
- 小
- 中
- 大
その他
売買処理法
売買処理法とは何か?
売買処理法(Sales and Purchase Accounting Method)とは、パーチェス法とも言わており、会社分割における会計処理の考え方の一つで、分割した事業の資産や負債を売買したものとして処理するという考え方です。会社分割にかかわる資産及び負債を帳簿価格で処理する考え方である簿価引継法に対比する考え方で、事業に対する支配権が移転したと認められるために簿価を引き継ぐことができない場合の処理方法となっています。分割の対価として現金などの財産が用いられるケースが考えられます。M&Aで会社を譲渡する側は、経営権が他の企業に譲り渡されることを理解しておく必要があります。通常のM&Aでは、買い手側の企業から送られてきた新たな代表取締役が就任するケースが多く、退任するこれまでの代表取締役は円滑な事業を継続して行くために、顧問の立場で企業にとどまることも多いようです。加えて、M&Aにより会社が大手企業の傘下に入るような場合には、やはり売り手側企業の既存の資源を活用することが多くなりますので、売買処理法が重要となってきます。
中小企業のM&Aでは個人保証の処理を明確にする
一般的な中小企業では、社長が会社の債務について個人で保証しているようなケースが多くあります。個人の資産を金融機関からの資金提供の際の担保にしているためです。そこで、会社売却の際の買い手側の企業はあらかじめこの点を明確にしておくことが重要となります。売買処理法では、合併などによりある企業が別の企業の支配権を取得した場合に移転する資産や負債を時価によって算定し、会計処理を行うことになります。拠出された財産の簿価と対価として受け取るものの差額を移転損益として計上します。これまでの現金給付や投資などは一度清算されたものとみなされますから、分離元の企業や結合当時の企業の株主が会社分割手続きによって、ここまで背負っていた成果の変動性より解放されるということが考えられます。