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利益相反
利益相反とは何か?
利益相反とは、一方の利益がもう一方の不利益となることを言います。会社が取締役の債務を連帯保証とするケースや、取締役が自己または第三者のために会社と取り引きをするケースなど、取締役と会社との利害が相反する取引のことを「利益相反取引」と言います。利益相反取引においては、取締役が自らの地位を利用して自己または第三者の利益を図ろうとして会社が損害を受ける恐れがあるため、会社の利益を損害することを防止するため利益相反取引をする場合は取締役は取締役会や株主総会などにおいて当該取引を行うことについて承認を受けなければなりません(会社法第356条、第365条、第595条)。M&Aの場合においては、M&Aの仲介取引やMBOの時にこの問題が典型的に表面化するのです。M&Aの際に、売却側は会社の売却を決定した時に株主に対してできる限り高値で売却する機会を与えることが義務となりますが、買収側はできる限り安く買い取りをしたいと考えます。このようにして利益相反が明らかに見られるようになるのです。
M&Aは仲介ではなくアドバイザーに頼むべし
M&A担当、とくに会社の経営陣は会社の内情を一番良く知っている立場になるので、当然取引の相手方や一般の投資家との情報の格差が発生することにもなります。ですからそれぞれの立場で一方の利益がもう一方の不利益にならないように、取引において公平性や透明性の確保することが重要な課題になるのです。このようにM&Aをする際には利益相反に対する配慮は欠かせないものですが、日本においてM&Aにおいて、M&A仲介会社や主力銀行の関連証券会社が債務者側のアドバイザーとして着任していることが多く見られています。アドバイザーは中立であるべき立場ですが、このような立場で関与しているのであれば債務者の利益は債権者の利益に優先して判断することができるのかと考えれば疑問が残るものです。日本のM&A市場において利益相反問題が起こりがちになっており、利害関係を持たない独立系のM&Aアドバイザー会社が少ない為、個人としてもプロフェッショナルである真のM&Aアドバイザーが少ないことが挙げられます。大きな案件を扱える独立系ファームが少ないですし、アドバイザー会社なのに案件紹介程度になっていることもあります。M&Aにあたっては、仲介業者やブローカーではなく、新日本総合事務所のような独立系アドバイザーにご依頼ください。