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ゴールデンパラシュート
ゴールデンパラシュートとは何か?
敵対的なM&Aを仕掛けられた時には、対象となる企業も自分たちを守るための防衛策というものが必要になります。ではこのゴールデンパラシュートとはどのようなものでしょうか。例えばもし取締役の解任や退任に際しかなり巨額の退職金というものが支払われることになっていたらどうでしょうか。敵対的買収を仕掛けた企業は、その企業を手に入れたとしても結局多大な損失を覚悟しなくてはいけないのです。結果的にそのことが買収意欲を削ぐ結果に、有効な防衛策として認められています。仮に買収コストが跳ね上がるのを覚悟で、強行的にM&Aを成立させても、前経営陣は金のパラシュートで敵陣を脱出できるという意味合いを持っています。中には、取締役だけではなく、従業員の退職金に対しても一般以上に設定されており、ゴールデンパラシュートの機能を持たせてる会社もあります。
通常時から敵対的M&Aの防衛策を設定することの重要性
日本においてあまりまだ導入されていないこのシステムですが、アメリカに目を向けてみると、大多数の会社が既に導入しています。しかし、この方法は株主利益と反する行為ではないのでしょうか。確かにそのような議論はアメリカでもされましたが、会社の生み出す利益に関して「CEOの実力」を高く評価するアメリカではこうしたゴールデンパラシュートも受け入れられているのです。しかし、もし敵対的M&Aが仕掛けられた後の導入であれば「ユノカル基準」が、会社売却を決定した後であればレブロン基準が採用される危険性があります。つまり司法もこのようなバランスを常にチェックしているということなのです。つまり重要になってくるのは敵対的M&Aがまだ仕掛けられていない通常の時から防衛策を設定するということです。