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M&A(Mergers and Acquisitions)
M&Aを行ううえでの「デューディリジェンス」の重要性
M&Aを成功させるうえで、やはりデューディリジェンスというのは非常に重要になってきます。これは日本語で言うと「買収調査」ということになります。というのも外から見ていると非常に魅力ある企業だと思えても、実際に調べてみると決算の数字に偽りや隠れ債務、不良債権などのマイナス事項が見つかることも時にあるからです。
デューディリジェンスを行う重要性
もちろん、こうしたことを100%防ぐということは非常に難しくなりますね。しかし時間やコストの許す限りこうしたデューディリジェンスを行うことで、リスクを洗い出して買収を成功させることができるのです。そしてその調査で出てきた事実というのは買収契約やその契約にも反映されます。特に上場企業の場合、こうした作業は特に必要であると言えます。なぜそのように言えるのでしょうか。
デューディリジェンスに決まった方法はなし
もしデューディリジェンスをしっかりと行わずに、会社に損失を与えたり問題が発生した時には取締役の善管注意義務を怠ったと見なされ、株主から訴訟を起こされるリスクがあるのです。ですから株主に対する説明責任や経営責任を果たすためにも、非常に重要なプロセスであると言えます。非上場の中小企業の場合はどうでしょうか。一般的にこの時にはデューディリジェンスというものがあまり行われずに、経営者同士の信頼関係でM&Aが行われることも多いのです。
デューディリジェンスというものに特に決まった方法というものはありません。税務・会計・法務・ビジネスなどの分野ごとに対象企業から資料を提出してもらいチェックしたり、ヒアリング、現場を実際に視察することもあります。この時にぜひ気を付けたいのは「情報漏えい」ということです。もしこの段階でM&Aを行おうとしているという情報が洩れると、思わぬ邪魔が入ったり、従業員に動揺が広がることもあるのです。中には公開会社の場合、その株価が暴落するという危険性もあります。ですから事前に秘密保持契約を結ぶということは非常に重要です。
簿外資産の有無や棚卸資産のチェックがポイント
情報や作業管理者への管理も細心の注意を払うことが必要なのです。こうした調査というのはどれくらいの時間がかかるものでしょうか。これは対象企業のサイズにもよりますが2か月から3か月ほど時間をかけて調べれば、十分なことは分かってくるはずでしょう。得意先や顧客の詳細などはすぐに分かるのですが、簿外資産の有無や棚卸資産のチェックという会計および税務的な部分は非常に時間がかかることが予想されるからです。こうした調査を行う時にプロのM&A仲介会社や調査会社に依頼するというオプションも存在します。