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M&A(Mergers and Acquisitions)
M&Aの会計処理に関しても学ぼう
吸収合併などをした時に、非常に重要になるのが「会計処理」というものです。日本の会計ルールでは現在「持分プーリング法」と「パーチェス法」という二つを認めています。
企業結合会計基準について
しかし2006年の4月から「企業結合会計基準」というものが適用されるようになり、この持分プーリング法には色んな条件が加わるようになりました。例えばその一つは、合併後の議決権比率が「55:45~55の範囲内」というものです。実際に2007年にはこの持分プーリング法を採用したのは、たった3件で、113件もあったパーチェス法とはかなりの差が生まれるようになりました。すでにアメリカの会計基準とか、国際会計基準の中ではこの持分プーリング法を廃止して、パーチェス法に一本化されています。なぜなら経営者の操作余地が入りやすいと言われているからです。
日本でも国際会計基準との差異を無くすことに勤めており、持分プーリング法は廃止の方向で話が勧められています。ここで改めてそれぞれの方法に関して、その概要というものを考えてみましょう。まず持分プーリング法です。これは合併を、合併当時会社の人格が合一することで一つの会社になるという考え方になります。つまり消滅会社の資産とか負債は全てそのまま引き継がれ、その評価というのは消滅会社の従来簿価ということになるのです。さらに資本も原則的にそのまま新しい会社に引き継がれます。ですから合併差益というのは生じないのです。
その一方で「パーチェス法」というのはいったいなんでしょうか。これは合併を消滅会社の株主による、存続会社への現物出資と考える方法です。つまりこの場合、引き継ぐ資産とか負債というのは、法律上の権利や義務、もしくは有形の財貨に限られてくるのです。評価は、合併時点における公平な価額になりますね。この場合は「合併差益」も存在します。
パーチェス法での計算方法の考え方
計算方法は合併により受け入れることになった純資産額が、その対価として交付する株式数に基づいて計算された資本金の額を超えたらそれが合併差益となります。ぜひ真剣に企業合併というものを考えているのであれば、その方方法だけではなく、会計処理に関しても調べるようにしてみてください。特に持分プーリング法はかなりその条件も厳しくなっており、採用することが難しくなっていますので会社の最大の利益を考える時には、準備や経営陣のM&Aに対する理解度というものが大きなカギとなってくることは間違いないからです。ぜひ参考にしてください。