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M&A(Mergers and Acquisitions)

パーチェス法

パーチェス法とは何か?

パーチェス法とは、M&Aなどの企業結合の際に被合併会社の資産・負債を時価評価する会計手法の1つのことです。パーチェスとは英語で「購入する」を意味し、パーチェス法は、買収対象企業の純資産と買収金額の差額をのれんとして計上する方法です。M&Aに関する会計処理では、持ち分プーリング法とパーチェス法があります。プーリングとは、会社同士の合併が互いに対等な立場で行われることを前提とした会計処理のことです。減価償却累計額や貸倒引当金などの相互の総勘定元帳の数字を維持して横滑りさせる形で統合させるのです。被合併会社の資産や負債を薄価で評価する持ち分プーリング法に比べて資産価値が高くなりますから、買収企業にとって費用負担が増すのです。国際会計基準では持ち分プーリング法を禁止して、パーチェス法を標準的な会計手法としています。日本も国際会計基準との整合性を目指して新たに適用される企業結合会計基準では、持ち分プーリング法を制限して、パーチェス法を原則的に採用することにしています。なぜなら、合併という企業結合取引はどちらが取得を行った企業かを決める必要があり、M&Aのほとんどが一方の会社が他方の会社を買収するという経済取引とみなされているからです。

 

のれん代を上乗せしたM&Aで成功するスキーム

M&Aでは、高度な技術を持っているにも関わらずマネージメントが弱く実力を発揮できていない会社など、潜在能力があるが利益が上がっていない会社を買収するのは旨味があるものです。そのような会社は利益が出ていない為株価も安いので、のれん代を上乗せしてパーチェス法で適切な期間内に減価償却したとしても買収後に効率良いマネージメントにチェンジすれば潜在能力を発揮して買収した企業は利益を得ることになるのです。また、M&Aでは純資産額よりも安い企業で買収するバーゲンパーチェスが起きるケースもあります。純資産が50億円の会社であっても、株式時価総額が40億円ならば、純資産を10億円も下回る金額で買収できることになります。ですから、このケースでは市場がその会社の収益力を低く評価していることになります。日本の株式市場では、1株当りの株価純資産倍率が1倍を切っている上場企業がたくさんあるので、買収企業は低水準を活かしてバーゲンパーチェスをしやすい市場であると考えられるのです。

 

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