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M&A(Mergers and Acquisitions)
後継者不足に光をさすM&Aという方法
皆さんはよくニュースなどでも「M&A」ということを耳にするがあるのではないでしょうか。一般的には大企業同士の合併とか、少なくとも片方は著名な会社がM&Aに関わっているというイメージが強いかもしれません。確かに報道されているM&Aの事例の大半がそのようなものですね。しかし近年では、世間的に無名な、国内の中小企業同士のM&Aというものも非常に多くなっているのです。
M&A増加の理由として挙げられた2012年問題
少しここではその真相というものを考えてみましょう。こうしたM&A増加の理由として挙げられるのはずばり「2012年問題」です。皆さんはこの言葉をうまく説明できるでしょうか。同年から団塊世代、つまり1947年から1949年生まれの経営者が勇退期の「65歳」を迎えて、中小企業の後継者右側の問題が如実化したのです。こうした傾向というのは、49年生まれが勇退期を迎えた今でも続いています。しかしなぜ後継者不足というものがいま深刻化しているのでしょうか。昔も今も日本の企業は同族が基本ですから、後継者を探すという作業は昔もあったのではないでしょうか。これには幾つかの理由というものが存在します。
自分の子より意欲ある人に会社を譲っ方が従業員のため
例えば最近では、より経営を取り巻く環境というものが厳しくなっています。ですからそのような中で無理に子供に会社を継がせることはせず、「本人の好きな道」を選んでもらおうという風潮になっているのです。中には、自分が会社を継いだ時に、半ば強引に後継者にされた経験から、自分の子供には自由に将来を選ばせたいと感じる方もいるようですね。ですからそのような経営者にとっては、M&Aで会社を意欲ある人に譲ってしまった方がはるかに良いというわけです。
もう一つ、後継者探しが難航している理由は会社が抱える「保証」というものです。特に血縁関係にない従業員に会社を継がせたいと思っても、今の経営者が行っている個人保証というものを肩代わりするのは非常に難しいのです。仮に可能だとしても、そこまでのリスクを負いたくないと思う従業員も少なくはないでしょう。非常に興味深いことに、自分の子供に無理に継がせないというスタンスは、経営難の企業とか借入がある会社だけではなく、黒字企業にも多いのです。つまり余力のあるうちに事業を他社に譲渡しておこうという考えがあるということです。M&Aで会社を買収したいと思っている経営者もこのようなことをしっかりと念頭に入れて、交渉にあたる必要があるかもしれません。ぜひ覚えておくのはいかがでしょうか。