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経営コンサルティング

医療法と医療法人制度の歴史

医療法と医療法人制度の歴史とは?

医療関連法規は、人、保険、施設の3つの分野に大別されます。
人では医師法、歯科医師法、保険では健康保険法等がありますが、医療施設に関する基本法が医療法です。
医療法(昭和23年・7.30法律205)は医療を提供する体制の確保を図り、もって国民の健康の保持に寄与することを
目的に昭和23年に制定され、その2年後の昭和25年には、医療法人制度が同法に導入されています。
その際の趣旨について、同年の厚生労働省事務次官通知は次のように記しています。
「本法制定の趣旨は、私人による病院経営の経済的困難を、医療事業の経営主体に対し、法人格取得の途を拓き、資金集積の方途を容易に講ぜしめること等により、緩和せんとするものである」 
医療法は、その後、五次にわたる重要な改正を経て、現在に至っています。
その主要な改正点を医療法人制度を中心に振り返ると以下のようになります。

第一次改正(昭和60年12月公布)
改正前は、診療所を開設する医療法人については、医師、歯科医師が常時3人以上勤務していることが要件とされていましたが、診療所経営の近代化のため1人又は2人でも認めることとした。昭和61年10月より施行。
このほか、同改正では医療資源の効率的活用に配慮しつつ、医療提供体制の体系化を目的に医療計画制度も創設され、以後、病床規制が実施されるようになりました。

第二次改正(平成4年7月公布)
医療法人の附帯業務に疾病予防運動施設等を追加した。平成4年月より施行。
このほか、同改正では特定機能病院や療養型病床群の創設が行われました。平成5年4月より施行

第三次改正(平成9年12月公布)
特別医療法人制度が創設され、平成10年四月から施行されたほか、医療法人の附帯業務が第2種社会福祉事業まで拡大され、平成9年12月から施行された。このほか、同改正では診療所の療養型病床群の設置が認められたほか地域医療支援病院が創設されました。

第四次改正(平成12年12月公布)
医療法人制度に改正はなく、病床区分の見直しによる「その他病床」の一般、療養への区分と届出(平成15年8月末まで)が決まったほか、一般病床の看護配置基準強化、病床面積拡大等が行われた。平成13年3月から施行。
同時に医療法も改正され、平成16年4月から臨床研修が必修化されました。

第五次改正(平成18年12月公布)
解散時の残余財産の帰属先の制限や、社会医療法人制度の創設、役員社員総会等の法人内部の管理体制を明確化。事業報告書等の作成、閲覧に関する規定を整備。自己資本比率による資産要件が廃止。
附帯業務が拡大し、社会福祉事業の範囲について必要な見直しが行われ、さらに有料老人ホームの設置が可能になりました。