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高速乗合バスへの円滑な移行のため国土交通省より「高速ツアーバス等の高速乗合バスへの移行のための高速バス停留所調整ガイドライン」が策定されバス停確保のための協議・調整がスタートしました。

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経営コンサルティング

高速ツアーバスの一般乗合旅客自動車運送事業への移行 (コンサルティングBU) | M&Aなら新日本総合事務所

高速ツアーバスの一般乗合旅客自動車運送事業への移行についての見解2(平成25年3月1日)

 弊事務所では、高速ツアーバス運営事業者様を対象として、平成25年2月21日(木)に一般乗合自動車運送事業経営許可申請にあたっての無料相談会を開催いたしました。ご参加いただきました事業者様には、この場をもちまして御礼申し上げます。ありがとうございました。

新たな高速乗合バスへの円滑な移行のために

 さて、今般のいわゆる高速ツアーバスの乗合許可移行問題について、前回弊所見解を発表した平成24年11月末に、国土交通省より「高速ツアーバス等の高速乗合バスへの移行のための高速バス停留所調整ガイドライン」が策定され、各地域ごとにバス停確保のための協議・調整がスタートしています。
 この結果、大都市主要駅ターミナル付近等を中心として、バス停確保のための努力が進められておりますが、高速ツアーバス事業者と道路管理者のみならず、国道交通省や地方自治体、警察等々の多岐に亘るステークホルダー間での調整を要することに加え、バス停設置場所に起因する個別地域事情が関係するため、バス停調整の進捗状況は現時点でもまちまちといった現状です。
 ここにおいて、一般乗合旅客事業への移行を希望する高速ツアーバス事業者様は、起点ならびに終点および各停車希望バス停の設置準備とともに、移行後に必要となる事業リソースの確保努力も求められるところですが、事業計画の策定も相まって、各事業者間での進捗状況にも顕著な格差が看られる様になりました。すなわち、

1.完全な自助努力により乗合事業者へ移行すべく一般乗合旅客自動車運送事業経営許可を申請する事業者
2.バス停調整協議会により予定するバス停確保とともに、事業計画および車両、運転手、運行管理体制の確立等、新制度に向けた事業運営体制の確立を目指す事業者
3.大都市主要駅ターミナル付近を起点および終点とすることから、バス停調整協議会により確保するバス停を予定し、確保決定後に事業計画策定等に準備を進めようとする事業者
これら大きく3パターンに集約されます。

このうち、1のタイプの事業者については、なかには既に平成24年中に一般乗合旅客自動車運送事業経営許可を申請して審査に進捗している事業者もあり、許可申請中の事業計画の内容により順次許可に進むものと思われます。
2のタイプの事業者については、全部をバス停調整協議会により確保する事業者と、一部をバス停調整協議会により確保する事業者とあり、それぞれ一般乗合許可申請に求められるバス停以外の事業リソースの確保を注力しつつ、バス停確保が出来次第、一般乗合旅客自動車運送事業経営許可申請に進むものと思われます。
上記1および2のいずれのタイプの事業者についても、本年8月1日の乗合運送事業スタートのためには、遅くとも6月末~7月初旬に許可を取得する必要があることから、標準処理期間および通常想定される許可申請における補正対応期間を考慮すれば、3月1日の現時点で一般乗合旅客自動車運送事業経営許可申請を終えていることが必要であることから、これから許可申請をする場合には、移行期間終了までの完全移行は難しくなっていくことが予想されます。

 これらを踏まえ、3のタイプの事業者については、乗合バスとして早期運行開始を希望する場合、引き続き運行地域における各地方運輸局、高速ツアーバス連絡協議会、バス停調整協議会等との調整を行ないながらも、運行路線ならびに車庫および休憩施設間の路線と安全運行に関する協議調整等の路線確保の努力に注力する必要があります。

一般乗合旅客自動車運送事業としての運行体制の確保について

 平成24年4月に発生した関越道バス事故を受け、社会問題化した運転手の長時間労働への対策から、夜間400キロ以上走行する運行系統については運転手交代が求められるようになったことは周知の通りですが、これらに加えて、衝突防止装置の導入や乗合事業者としての従業員教育等、観光バス事業(スポットビジネス)から路線バス事業(インフラビジネス)への業態転換を図る企業努力が必要となります。これらのうち、費用・時間・労力が必要となるのが従業員の意識改革でしょう。ドライバーは、昨日も今日もバスを運転するのは同じですし、安全運転を心掛けるのは当然ですが、その意識を8月1日から公器としてのレベルに高め、今後継続的に維持することは、現実的にはなかなか至難の技です。この難題を克服するには、まず経営トップの姿勢が明確に変化し、いわばその背中を見せることによって企業の姿勢が変わります。全社一体となって高い意識レベルで市場に対峙できるようになるには、数ヶ月から数年は必要でしょう。
 このように、高速ツアーバス事業者が一般乗合旅客自動車運送事業へ移行することは、単に協議会に参加してバス停を確保してもらい、行政書士に依頼して一般乗合の許可を取得してもらえればよいという発想ではなく、社会インフラの一端を担うという高い意識の確立とともに、バス事業に対して新たな高いレベルの事業体制を確立する企業努力を伴うステップアップとお考えいただくことが肝要です。

これからの一般乗合旅客自動車運送事業経営許可取得のために

 今後の一般乗合旅客自動車運送事業経営許可申請を行なう事業者様におかれましては、8月1日には新高速乗合バス制度がスタートすることから、新制度への対応を視野に、現状のバス停確保および路線確保ならびに事業体制の確立を進めていただき、今後は一般的な環境(通例)での一般乗合旅客自動車運送事業経営許可を取得するための、いわば平時の状況での許可申請対応となります。高速ツアーバス事業者様が、今後乗合バス(路線バス)として新高速乗合バス事業を推進されるようでしたら、高速ツアーバスの乗合移行各種施策が行なわれている現状の機会を最大限活用していただきまして、かつ早期の運行開始のため積極的な新事業体制の確立へご努力されますよう、アドバイスさせていただきます。

一般乗合旅客自動車運送事業経営許可申請のためにご準備いただく書類資料等

 高速ツアーバス事業者様が一般乗合旅客自動車運送事業へスムーズに移行していただくため、ご準備いただく書類資料等を掲載します。高速ツアーバス協議会会員の事業者様へは、平成24年11月20日の説明会において資料配布済みですので、お手元の資料をご確認ください。

●定款のコピー
●履歴事項全部証明書
●直近の決算書
●役員名簿
●住民票
●履歴書
●運行管理者資格者証のコピー
●整備管理者資格者証のコピー
●車庫、営業所および休憩仮眠施設の使用権原書類
●車庫、営業所および休憩仮眠施設の案内図
●車庫、営業所および休憩仮眠施設の見取図
●車庫、営業所および休憩仮眠施設の平面図
●車庫前面道路の幅員証明書
●車両の使用権原書類
●任意保険の契約書(見積書)のコピー
●残高証明書
●運行系統図
●運行系統説明図
●運転基準図
●運行ダイヤ
●勤務時間割・乗務時間割表
●運賃表
●運転者名簿
●運転者免許証のコピー
●保険等の加入証明書面

専門の行政書士をご利用ください

行政での許認可に関しては、各種法令に精通し適切な証明書類等での手続が要求されます。行政書士が手続を行なう際には、それぞれの法令や役所等での実際の取扱い状況にまで留意しております。弊事務所ではさまざまな観点から適切なアドバイスができるよう、またお客様に安心して事業等に集中していただけるよう心掛け、最短・最速な無駄のない手続を実現します。役所等への許認可申請等の場合には、ぜひ行政書士 新日本総合事務所をご利用ください。
一般乗合旅客自動車運送事業経営許可の監督官庁は国土交通省です。国土交通省のサイトはこちらです。