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取得条項付株式
取得条項付株式とは何か?
この取得条項付株式というのは、一定の事象が発生することで会社が強制的に取得できるようになる株式のことです。これを前もって企業の定款に定めておくと、強制的な株式取得ができるようになります。ではなぜ定款を変更してまでこのような取得条項付株式を設定するのでしょうか。その理由は投資ファンドなどによって仕掛けられる敵対的買収を阻止するという狙いがあるのです。企業では特定の会社にその株式を独占されると、企業の意に反してM&Aをされたり、勝手に会社売却を行われてしまう恐れがあります。ですから企業では当然、この取得条項付株式を設定し株式の買占めが行われたときには強制的にそれを取得できるようにしておきます。
敵対的買収を防ぐために有効
もし強制的に株式を取得した時には、相手会社に対価として現金・社債・新株予約権・現金などが与えれることになっています。特に日本では2000年代に入ると外資系投資ファンドによって国内企業の株式買い占めが行われるようになってきました。投資ファンドは株式取得比率の高さにものを言わせて、企業に自分たちへの配当を増やすように要求したり他社へのM&Aや会社売却を促すことをしてきました。こうなると投資ファンドにしか企業の利益が及ばないことになります。それで企業の他のステークホルダーを守るために敵対的買収を防ごうという流れが強まっているのです。今では取得条項付株式を定款に定めておくことで、経営者や社員、そして他の株主を保護できるという見方が多くなっています。