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DIPファイナンス
DIPファイナンスとは何か?
これは英語の「Debtor In Possession」の略ということになります。
何を意味するかというと、民事再生法などの倒産手続きを行いながらも、旧経営陣に経営を任せるということです。なぜなら、もし十分な経営能力がある経営陣の場合、企業としても再生が見込まれるので管財人が経営権を握るよりも、旧経営陣にそれを任せてしまった方がよりリスクが少なくて済むのです。倒産手続きに入ると、対象の企業の資金繰りというのは一気に悪化することになります。例を挙げると、仕入先から現金支払い要求を受けたりするのです。DIPファンナンスはこのような時に短期融資の形を取ります。この債権というのは「共益債権」というカテゴリーになり、再生企業の他の債務よりも優先されることになるのです。もちろん再生計画が完了する前に、M&Aによる買収が行われDIPファイナンスを買収側が受けるということもできるのです。
DIPファイナンスは3タイプ
今の日本では過剰負債を抱えた企業が立ち直るには民事再生法などの役割が大きくなっています。しかしそれを確実にするには適切な資金調達も必要になってくるのです。DIPファイナンスは主に3つのタイプに分類されることでしょう。一つは「認可前型」です。これは法的手続きを申し立ててからすぐに、再建企業に対しておこなわれる短期的融資のことです。もう一つは「認可後型」です。これはあくまでもその認可が決定してから再生計画期間(通常は3年程度)に合わせて、短期的もしくは長期的な運転資金を融資するものです。最後は「M&A型」になります。これは再生計画の終了前に事業買収を行い融資を可能にするというものです。