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白馬の騎士
白馬の騎士とは何か?
白馬の騎士とは、敵対的買収を仕掛けられた企業側に立つ有力な支援者のことを言います。アーサー王伝説に出てくる英雄が由来となっており、ホワイトナイトとも言います。M&Aにおいて敵対的買収に対する買収防衛策の一つなのです。例えば、ある企業が他の企業から敵対的TOBを受けたとします。その時に友好的な企業に友好的TOBをしてもらい企業ごと会社売却を行うことにより、敵対的買収の成立を防ぐことができます。より具体的になると、敵対的TOBをかけられた時、友好的な企業である白馬の騎士が、敵対的TOBよりも高い価格でカウンターのTOBをかけます。または、TOBをかけられている企業からの第三者割当増資を引き受けることにより、その企業を買収するか合併するのです。敵対的買収によって苦しむ企業を救うイメージから白馬の騎士、と名付けられました。
白馬の騎士を見つけることは簡単ではない
通常のM&Aにおいては敵対的TOBを受けた時、白馬の騎士を見つけることは簡単ではありません。友好的な企業に会社売却をするためには、その企業を買収するための資金をすぐに確保する必要がありますが、これは資金面で余裕がある会社でなければ難しいです。それだけでなく、友好的TOBをかけて敵対的TOBを阻止するため、敵対的TOBをよりも金額を高く設定しなければなりません。そうなると、買収される企業の企業価値に対してかなり高い価格設定になってしまいますから、経営陣から見ると資金を無駄に使用することになって結果的に会社に損失を与えたということになり、株式代表訴訟を提起されるリスクが生じてしまいます。その一方で、TOBをかけられている企業が潜在的な企業価値が高く、魅力的な製品やサービス、高い利益を生み出す源泉を持っていて、他社が買収したいと思っていたがチャンスがなかった場合、敵対的TOBを機会に他社がその企業を傘下に入れたいということで、白馬の騎士を積極的に申し出ることもあります。このように、白馬の騎士と言っても多額の出費をすることになるので、それなりの意図やリターンを求めていると考えられるのです。