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無リスク利子率
無リスク利子率とは何か?
無リスク利子率とは、理論的にリスクが皆無または最小限に抑えられているリスクがない安全資産から得ることができる利回りのことを言います。リスクフリー商品からの利回りということになり「リスクフリーレート」とも言います。安全利子率、安全資産利子率、無危険資産利子率などとも呼ばれるのです。リスクを伴わない資産から受け取ることができる利子の利率なので、投資で得る利率とは違うのです。資産の持つリスクには債務不履行リスク、価格変動リスク、途中償還リスクなどがありますし、長期的・全般的には購買力リスクがあります。無リスク資産とはこのような様々なリスクとは無縁の資産のことで、リスク・プレミアムを全く必要としない資産に対して支払われる利子率のことです。ですから理論的概念では、資本資産価格理論(CAPM)においては全ての効率的ポートフォリオは無リスク資産と危険資産ポートフォリオとの適切な組み合わせにより生み出されるという重要な機能が付与されています。資本資産価格理論の検証や実務への応用の時には、近似的に短期国債を持って代用しているのです。国債であるので債務不履行の可能性が非常に低く、満期が極めて短いので価格変動リスクも無視できることや、インフレリスクはすべての資産に共通であって均等に作用するのでとりあえず考慮しないという理由からなのです。
無リスク金利は割引率を計算する時に使われる
無リスク利子率の対象には元利金の支払いが必ず保証されている銀行預金や郵便貯金などの利回りがありますし、インターバンクの短期金融商品などの金融商品の利回りなどがありますが、無リスク金利は一般的にはインターバンクレート、実務上では10年もの日本国債の利回りがよく用いられます。無リスク金利は割引率を計算する時にも使用します。割引率は将来の価値を現在の価値に変換する時に使われる利率のことで、一般的には無リスク利子率にリスクプレミアムを加えたものを割引率として現在価値の算出に使用します。投資信託の運用成績ではパフォーマンス評価をしますが、この場合では無リスク利子率を上回る投資収益率を上げることができたかどうかを超過リターンという名前で測定することもあります。投資した元本が保証されていない商品への投資の時に、その期待収益率が無リスク利率を上回っていない場合では、保証されていない商品を投資してまでリスクを取る意味がないという考えに至るのです。