文字のサイズ
- 小
- 中
- 大
その他
担保掛目
担保掛目とは何か?
M&Aで使われる担保掛目は、金融機関などがお金を貸し出す時に、当該貸出の担保物件を評価する際の比率を意味します。金融機関が貸し出しをする時に、当該貸出の担保物件 (不動産や株式など) の価値を算定、この担保価値に一定の率を掛けて、その額を上限に貸出することがほとんどです。このパーセンテージを「担保掛目」といいます。そして、金融機関の融資の安全性確保の見地より古くから導入されており、ローントゥバリュー (Loan to Value) ともいいます。一般的に金融機関などでは、ローンの債権等を保全するために担保をとる場合がありますが、万が一の場合に備えて、その担保から確実に回収することが必要になってきます。そのために、担保評価額の設定は適切にされることが大切になってくるのです。
担保評価額の設定方法
担保評価額は通常は、担保の時価評価額と担保掛目を掛けた値となり、担保掛目は確実に保全されるか否かを考慮に入れますが、例えば預金は100%、上場企業の株式は80%から90%、不動産ですと70%から80%などに決められます。株式での信用取引等の代用有価証券の評価においても、担保掛目は同じ意味として用いられているのです。資産の時価は、ホテルや娯楽施設などの用途を全く別の物に変えるのが困難である不動産を除くと、大体は周辺の時価や路線価等を考慮された上で査定されます。M&Aを行うにあたって、企業が融資を申し込んだ時に担保に支払う不動産の時価が10億円だとします。金融機関によって規定が異なってきますが、銀行の掛け目が80%だと設定されていれば、担保掛目は、8億円となります。金融機関が8億円の保全が図られていると判断するならば、融資審査が行われます。金融機関から見ると、保全が図られているからといって必ず貸すということではありませんが、損する可能性は低くなるうえ、自己査定やBSI基準等の金融機関側の都合と合うために、融資しやすい条件になるのです。