文字のサイズ
- 小
- 中
- 大
その他
メザニン
メザニンとは何か?
メザニンとは、優先あるいは通常の借り入れと正味資産を表すエクイティの中間(中二階)に位置するという意味のことを言います。返済義務のない株式等によって調達された資金は、エクイティとなります。メザニンデットは、弁済順位がシニアデット(通常借入)よりも劣後する借入れのことですが、金利が高いですし無担保なのです。しかしエクイティよりは残余財産分配権が優先されることになります。このように債権が抱えるリスクが通常の借入れとエクイティの中間に位置することから、中二階を表す「メザニン」と呼ばれるようになりました。サブオーディネイテッドデット(劣後ローン)や、残余財産分配権が普通株より優先する優先株等もこれに当たります。
M&Aではバイアウトメザニンが補助資金として使用される
アメリカの投資ファンドの中には、従来からメザニンファンドと呼ばれるメザニンのリスクで資金提供をするものが数多くあります。メザニンの債権がどのくらいあるのかということは、M&Aを検討する時の企業価値の算定には不可欠です。投資ファンドにはメザニンファンドなるものがありますが、中二階と表される特性によりミドルリスク・ミドルリターンの運用を狙うファンドなのです。劣後ローンや不動産開発事業等への投資を対象として、主に企業体として投資を行っている機関投資家に対して募集や設定をする私募ファンドなので、外部に対して開示義務がありません。リスクに見合った高い金利で貸し付けをするメザニンファイナンスに運用するのが、メザニンファンドということになるのです。M&Aのケースではバイアウトメザニンが企業買収資金の補助として使用されることがあります。買収対象企業の賃借対照表の貸方には、純資産や負債として中二階のポジションは残ることになりますが、このことにより調達した資金は買収対象企業の色々な償還資金に回されて買収対象企業の側には残らないことになるのです。ですからM&Aにおいて利用価値があるものとなります。