文字のサイズ
- 小
- 中
- 大
その他
フリーキャッシュフロー
フリーキャッシュフローとは何か?
フリーキャッシュフローとは、企業が本来の事業活動などによって生み出すキャッシュフローのことを言います。「フリー」とは、企業が社債権者や金融機関、株主などの資金の提供者に対して自由に分配できるという意味で使用されています。企業が自由に使うことができるお金を表すのです。フリーキャッシュフローは、本業から稼ぎ出される営業活動に関するキャッシュフローから、設備投資や企業買収に充当される投資キャッシュフローを差し引くことで計算されます。このような数字を知るためには、企業から開示されているキャッシュフロー計算書を読むことが必要になり、自分たちで算出する必要があります。フリーキャッシュフローの金額というのは、企業そのものの評価を決めるために重要視されることが多くなっているのです。ですから、フリーキャッシュフローが伸びていない企業は注意が必要になります。フリーキャッシュフローが伸びており、設備投資や運転資金がふくらまない企業は理想的なビジネスを行っていると言えるでしょう。
キャッシュフローを生み出せる事業はM&Aでは高評価
会社売却を望んでいるところに対しては、M&Aを検討する際にどれほどのキャッシュフローを生み出せている点が問題になります。なぜならば、企業をM&A等をしたとしても設備投資などの費用が多くかかって、キャッシュを殆ど生み出さない事業は魅力的ではないからです。日本の携帯電話事業は、一度ユーザーと契約すると持続的に利用をしてもらえるストックビジネスのため、日本の携帯電話キャリアは毎年たくさんのフリーキャッシュフローを生み出す事業といえます。ですから、これからも継続的にフリーキャッシュフローを生み出すことができますし、そうなると会社売却を迫られるリスクが少ないので安定しています。逆の見方をすれば、携帯電話ビジネスのように継続的に安定したフリーキャッシュフローを出せるビジネスは、M&Aの対象として魅力的な会社になります。実際に日本の携帯電話キャリアの中には、有利子負債が巨額に上っているアメリカの携帯電話キャリアをM&Aしたところがありましたが、既存事業でフリーキャッシュフローを生み出しているという理由で有利子負債がたくさんあったとしても金融機関から融資が受けられ、M&Aを成功させたということもあったのです。