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ヒストリカル・ボラティリティ
ヒストリカル・ボラティリティとは何か?
ヒストリカル・ボラティリティとは、過去のデータに基づいて算出した変動率のことで、歴史的変動率とも呼ばれています。過去一定期間の株式や為替、債券といった原資産価格の変化率の平均値から求められます。統計学で言われる標準偏差のシグマ(σ)にあたるものです。過去の値動きから現在の値動きを予測する時など実務的に使用されます。ヒストリカル・ボラティリティが16.5%となっている場合、過去の相場変動は16.5%であったことを示しているのです。その算出は、日次のリターンを計測する期間として20日か、30日を用いるのが一般的です。また、日次の標準偏差を年率換算する際に乗じる因数としては、年間の営業日を250~260日と考え、250~260平方根を乗じることが多いようです。日経平均ヒストリカル・ボラティリティは、日本経済新聞社が算出し、公表する日経平均株価のヒストリカル・ボラティリティとなっています。ヒストリカル・ボラティリティは、予想変動率を推測するのにも使用されます。
M&Aでは買収時の株価リスク評価で用いる
資産運用では、本数値が下がってくるならば相場に力が溜まってきていると言われ、中期的に相場を見ながらポジションを取るタイミングを計るのに適していると言われるのです。ボランティリティの大きな銘柄というのは、短期投資家にとってリスクが高くなります。しかし、それは儲かるチャンスが増えるのです。反対にボランティリティの低い銘柄はリスクが低く、儲かるチャンスは低くなるのです。そして、市場平均などによりヒストリカル・ボラティリティの低下が続くならば、どちらかに相場がそろそろ動くのではないかと考えるのです。M&Aは企業の合併買収であり、企業が他の会社を買収して一つになることです。そしてヒストリカル・ボラティリティは、買い手側にとって大きな意味合いを持つものとなっています。企業の買い手側としては、M&Aでヒストリカル・ボラティリティを重視するというポイントがあって、買い手側の企業は買収するために事前にそのリスクを確定しておく必要になります。そうすることによって買収においてのリスクが把握できていれば、もし問題が起きた時に対応できますし、賠償問題なども円滑に処理することができるようになるのです。