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ネームクリア
ネームクリアとは何か?
ネームクリアとは、M&Aでノンネームを用いた匿名での買い手企業探しの後に行われる情報公開の行為のことです。では、ノンネームとは何でしょうか。本来、買い手企業と売り手企業の両方があって、初めてM&Aは成立するものですが、現実には、売り手企業は、会社売却を行おうとしていることを知られたくないものです。そのため売り手企業側の情報を、企業の特定ができない範囲に絞り公開するというケースがあります。このように企業の特定ができない情報のことをノンネームと呼びます。もちろん、買い手企業がノンネームを確認して、買収の意思を示せば、売り手企業は買い手企業となる可能性のあるその企業と交渉を始めることになりますので、いずれ自社名などの重要情報を公開する必要が生じることでしょう。
ネームクリアのメリットとデメリット
買い手企業が現れてからネームクリアを行う、ということを前提にして会社売却することの、売り手企業側のメリットやデメリットにはどのような点があるのでしょうか。最初にメリットについて考えましょう。確かに、売り手企業にとって買い手企業が見つかるまで会社売却を行おうとしていることを伏せておけるのは、メリットになり得るでしょう。なぜなら、もし、あの企業は会社売却をしようとしているという情報が早い時期に広まってしまいますと、売り手企業から優秀な人材が出ていってしまって、会社の価値が低くなってしまうおそれがあります。他にも、取引先からの信用性を失い悪影響が生じる可能性があります。一方、デメリットとしてはどのような点が考えられるでしょうか。ノンネームを用いた匿名での買い手企業探しを行うということは、情報をそれなりに制限して公開することなりますので、買い手企業に対して十分なアピールをすることができないという点があります。全て公開していれば購入してくれていたかもしれない買い手企業を逃してしまう可能性があるのです。ネームクリアという方法には、上記のようなメリットやデメリットがありますので、この手法を用いる場合には十分に事前検討することが必要となるでしょう。