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デットエクイティスワップ
デットエクイティスワップとは何か?
M&Aの手続きや、会社売却を行うケースが目立ってきています。その際、十分な知識を持っている人でなければ、手続きをスムーズに進めることはできないでしょう。近年、「デットエクイティスワップ」というものが注目されています。「デットエクイティスワップ」というのは、英語のDebt Equity Swapで、債務と資本とを交換することを指しています。「デットエクイティスワップ」は、債務と交換することで、株式を発行するという手続きのことです。これは、債権者側から見ると債権の株式化、債務者側から見ると債務の資本化ということになります。債務者にとって、過剰となっている債務を減らして、財務的な体質を健全なものにしていくことができるメリットがあります。会社売却やM&Aといった手続きを進めるに当たっては、様々なことを学ばなければなりません。
新株払込方式・現物出資方式の2つがある
近年では「デットエクイティスワップ」を有効に活用する動きが目立ってきました。「デットエクイティスワップ」の手法として頻繁に利用されるのは、新株払込方式・現物出資方式という2つの方式です。新株払込方式は、金銭による出資と債務を返済することとを組み合わせて用いる方式です。現物出資方式は、債権を現物出資する方法となります。「デットエクイティスワップ」について、会社法では特別な規定が定められています。現物出資方式を用いた場合は、検査役による調査が原則として不要となっています。大きな弊害が見当たらないということで、手続きを簡略化させ、利用しやすい形にしていると考えられます。「デットエクイティスワップ」に係る債務者側の会計処理についてですが、弁済期の到来した金銭債権を現物出資する場合において、会社法上券面額説による運用(検査役の調査の省略、変更登記等)がされた場合において、会計処理上も債権の券面額につき資本金(または資本金及び資本準備金)の増加を認識することになると考えられます。会社法上の払い込みを伴う新株発行に該当するため、2分の1規制の対象となり、払込金額の2分の1を超えない範囲で資本準備金に計上することが認められています。