一般社団法人の社員と会員について
「社員」と聞くと、株式会社などの「従業員」をイメージする方が多いと思いますが、一般社団法人の社員は従業員とは異なります。
一般社団法人の「社員」とは、社員総会において議案を提出したり、その議決に参加し、議決権を行使する人のことを言います。
株式会社に例えると「株主」にのような立場の人なのです。社員総会は、一般社団法人意思決定機関です。つまり、その議決権を持つ「社員」は、一般社団法人の運営に直接関わる立場であり、定款を変更したり、社員の退会を求めたりといった事ができるのです。
一般社団法人の設立においては、社員は2名以上必要です。ちなみに、社員は個人だけでなく法人や団体でもなることが可能です。
また、一般社団法人の主たる事務所には社員名簿が備え付けられています。名簿には、社員の氏名、名称、住所が記載されており、社員の入退社の変動や住所の変更があった場合も記録されます。また、当該一般社団法人の社員は、業務時間内であればいつでも正当な理由を明示して名簿の閲覧を請求することができます。
一般社団法人の社員は、法の規定により、下記の場合は退会します。
<本人の意思による退会以外の退会理由>
(一般社団法人法第28条及び29条)
- 定款で定めた事由の発生
- 総社員の同意
- 死亡又解散
- 除名(※)
(※)除名とは、正当な事由がある場合に限って、社員総会の決議によってその社員を退会させることを言います。 除名する場合は、一週間前までにその社員に通知のうえ、弁明の機会を与えなければなりません。
なお、やむを得ない事由がある場合は、定款でどんな制限を設けても、いつでも退会・退社(一般社団法人の社員ではなくなること)できます。
一般社団法人の中には、社員のことを「会員」と呼ぶ「会員制度」を設けているところもあります。「社員=正会員」が一般的ですが、中にはその他の種類の会員を設ける場合もあります。定款には会員制度を採用している事を定義し、どの種類の会員が社員に該当するのかを明らかにしておかなければなりません。