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M&A(Mergers and Acquisitions)
Qレシオ
Qレシオとは何か?
このQレシオは1990年代のバブルの時に、考え出された指標のことです。これは、時価を基準に「割安感」を計算するために用いられます。例えば2000万円の土地を購入して、その値段が4000万円に膨れ上がったとしましょう。もしPERの計算をするのであれば2000万円の方を利用しますが、Qレシオでは4000万円の方が使われるのです。PERでは割高でも、土地や建物が急速に値上がりしたバブルの時代にはこのQレシオを使うことで、割安感を正確に計算できたのです。しかしバブルが崩壊すると、不動産の値段も下がり、この指標の活躍の場は無くなってしまいました。
村上ファンドの登場で再び注目される
意外にも一度廃れたこの指標というのは、2005年に再度注目されるようになります。というのも、この年に村上ファンドが阪神電気鉄道の含み資産に着眼し、阪神側と激しい攻防を繰り広げたからです。時価を元にして計算されるQレシオは、数字としてPERよりも正確で優秀であるということができるでしょう。しかし、M&Aなどで対象となる会社の資産がどれくらいの時価なのかを調べるというのは、非常に複雑であることも覚えておかなくてはいけません。ですから一般的にはM&Aの仲介会社にその計算を任せるというのがベターなのです。この指標の計算式は「株価÷一株あたり」ということになります。この一株あたりには純資産だけではなく、含み資産も入っているということを忘れないようにしましょう。